粉骨についての疑問を解消。方法から業者選びのポイントまでご紹介

現代の日本では、高齢化や少子化のため、お墓を維持することが困難になってきています。
子供たちの負担を考え、あえて散骨葬を選ぶ親も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、散骨のために必要な粉骨についてご説明します。
粉骨の方法から粉骨業者の選び方までご案内しますので、散骨葬を考えている方はぜひ参考にしてください。

目次

粉骨について知っておくべきこと

日本は通常、火葬の場合は遺骨として収骨されます。散骨を希望する場合は、お骨を一辺2mm以下のパウダー状にしなければなりません。ここでは、散骨葬に必要な粉骨についてご説明します

粉骨は法律的に大丈夫?届け出は?

粉骨自体は法律的に違法ではなく、公的機関に届け出る必要もありません。遺骨を管理するお寺に話し、遺骨を返してもらい、業者に委託するかもしくは自分で粉骨します。
しかし、遺骨を管理する祭祀承継者(さいししょうけいしゃ)の許可が必要になりますので注意しましょう。通常、祭祀承継者とは、配偶者や長男、長女のことを指します。粉骨するときはトラブルにならないように、家族全員でよく話し合うことが大切です。
散骨葬を希望する場合は、生前にその旨を遺言に残し、家族に伝えておけば安心です。

散骨葬のために必要な書類やルールとは

散骨葬に関する法律は今のところなく、そのため、自治体に提出する書類等もありません。しかし、自治体によっては条例により、散骨場所に規定があることもあります。散骨葬をするときは、散骨場所を管理する自治体に問い合わせてみましょう。
散骨葬をする場合は、自然保護の観点から、さらに他人への配慮から、マナーを守って散骨する必要があります。以下に守るべきマナーやルールをご紹介します。

  • 散骨する遺骨は一辺が2mm以下のパウダー状に粉骨する
  • 遺骨から入れ歯などの異物を取り除く
  • 海に散骨する場合は、水溶性の紙袋にいれて散骨する
  • 公共の乗り物から散骨しない

また、国内線、国外線どちらにしても、飛行機に搭乗する際は手荷物での持ち込みになります。死亡証明書などの書類と一緒に粉骨証明書の提示が必要なので、粉骨を依頼した業者に粉骨証明書を発行してもらいましょう。
パウダー状のため、航空会社によってはくわしく検査される場合があり、必要な書類も異なってきます。どのような書類が必要か、前もって問い合わせることをおすすめします

2つの粉骨方法と費用についてご紹介

粉骨する場合は、粉骨業者に依頼するか、または自分で粉骨するか、どちらかになります。ここでは、それぞれのパターンについてご説明します。

業者に依頼する場合

粉骨は許可が必要なく誰でも行えますので、散骨葬が増えるにつれ、粉骨を請け負う業者も増え続けています。愛する家族の遺骨とはいえ、自分で粉骨することをためらう方は業者へ依頼しましょう。立会粉骨を受け入れていない、または、粉骨業者が地理的に遠く立会えない場合は郵送で依頼します。

粉骨業者は、通常機械で粉骨しますが、業者によっては手作業で粉骨してくれるところもあります。機械であっという間に粉骨されるのは忍び難いという方は、手作業で粉骨してくれる業者を選びましょう。

費用は、粉骨業者によりかなり開きがあります。粉骨料金は12,000円〜30,000円ほどで、粉骨料金は安くても立会粉骨すれば追加料金がかかるなど、料金体系もさまざまです。2、3の粉骨業者を選び、費用や内容を比べることをおすすめします。

自分で粉骨する場合

自分で粉骨する場合は、自宅にあるすり鉢や乳鉢を使い手作業で粉骨するか、または粉骨する機械をレンタルするか、どちらかになります。
自宅にあるものを使って粉骨する場合は、もちろん費用はかかりません。しかし時間がかかり、それなりに根気のいる作業になります。

粉骨する機械をレンタルする場合は、レンタル料金は15,000円〜20,000円ほどです。墓じまいで数人分の遺骨を粉骨する必要があれば、レンタルを考えてみてはいかがでしょうか。

粉骨業者選びで失敗しないために

粉骨業者のなかには、安さを売りにして粉骨を請け負い不要な供養品を売りつける悪徳業者も存在しますので、業者選びは慎重に行いましょう。ここでは、粉骨業者を選ぶポイントをご説明します

粉骨専門業者へ依頼する場合

粉骨専門業者はいわゆる粉骨のプロです。業者への依頼を考えているなら、専門業者がいいでしょう。粉骨専門業者は増えていますが、なかには遺骨を雑に扱う業者もいますので注意が必要です。
まず、立会粉骨を快く受け入れている業者は信用できます。このような業者は普段から粉骨する機械や器具を常に清潔に保ち、遺骨も丁寧に扱ってくれます。遺族の心情に寄り添ってくれる業者を選びましょう。

本業のオプションで粉骨依頼する場合

遺品整理や墓じまいなどを本業にしている業者は、遺品整理のときに出てきた遺骨の粉骨を、オプションとして請け負ってくれる場合があります。このような業者は自ら粉骨するわけではなく、専門業者に外注することが多いので割高になりがちです。専門業者でないため、遺骨の扱いに慣れていない場合があります。

業者選びの際は会社情報&費用をチェック

業者を選ぶときは、会社や責任者の情報が詳しくわかるところを選びましょう。今はネット上で検索できるので、会社の住所や電話番号、責任者の情報がもれなく明示され、さらに問い合わせフォームがある業者は間違いないでしょう。できれば電話で直接話してみることをおすすめします。しっかりと丁寧に対応してくれる会社なら安心して遺骨を預けることができます。
また、費用も依頼前に必ず確認しましょう。会社情報のなかで、細かく提示されていれば問題ありません。

まとめ

核家族が増え、個人の考え方も多様になり、お墓に入るのは当然という考え方は変わりつつあります。埋葬のひとつのあり方として、散骨葬を選ぶ人は今後も増えていくことでしょう。散骨葬をするためには、必ず事前に粉骨が必要になります。散骨葬をする際にはトラブルにならないように、信用のおける粉骨業者を選び、マナーを守りながら散骨しましょう。

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