ハワイで散骨を行うための基本的な知識とかかる費用まとめ
遺骨を海や山などに撒く「散骨」は、故人の葬送方法の一つです。
中でも海に遺骨を撒く「海洋散骨」が比較的ポピュラーですが、日本のみならず海外、特にハワイの美しい海で散骨を行う人も増えています。
そこで、今回はハワイで散骨するための基本情報と費用を紹介します。
ハワイで散骨を行うには?
海外での散骨はハードルが高い、と思われがちですが、日本人が多く居住するハワイでの散骨は、日本人にとって比較的利用しやすいものです。
ハワイでは、大きく分けて以下の2種類の方法で散骨を行えます。
旅行会社のオプショナルツアーを利用する
一部の日本の旅行会社では、現地発着のオプショナルツアーの一つとして海洋散骨ができるプランを用意しています。ハワイへのツアーとまとめて申し込みができるため、利用しやすいでしょう。
ハワイの滞在先と船の発着場所への送迎と船のチャーター代、船上でのセレモニーなどの費用がすべて含まれている点も便利です。
現地の散骨サポート会社に依頼をする
日本人旅行者が多く訪れ、日本人在住者も多いハワイには、現地での散骨をサポートしてくれる会社があります。サポート会社が提供する海洋散骨では希望の船やオプションを選択できるため、散骨に立ち会う人数やセレモニーの内容など細かく設定できるメリットがあります。
日本出発前から散骨が無事に終わるまで日本人が対応し、もちろん日本語でのサポートを行ってくれるので、言葉の不安がある人でも安心して利用できます。
ハワイでの海洋散骨の基本的情報
ハワイでは、海へ遺骨を撒く海洋散骨は比較的ポピュラーな葬送方法です。現地における散骨の文化や知っておくべき基本情報をまとめました。
伝統的にハワイで行われてきた散骨
日本では、まだあまりポピュラーとはいえない散骨ですが、ハワイでは昔から先住民族であるハワイアンが伝統的に行っていた葬送方法です。そのため、ハワイでは日本よりも散骨が一般的で、文化として根付いているのです。
遺骨を海へ撒き、自然へ還ることを見送る機会も多い現地では、散骨は日常として捉えられる儀式の一つともいえます。
特別な許可は不要
日本で遺骨をお墓に埋葬するためには、埋葬許可証が必要です。そのため、散骨でも許可が必要と思われるケースも多いでしょう。ましてや海外では、複雑な手続きが待っていると考えることもあるかもしれません。
しかし、散骨には特に手続きが求められることはなく、ハワイで海洋散骨を行うにあたっては、特に現地で許可を取る必要はありません。日本でお墓に埋葬するよりも、シンプルに行える葬送なのです。
海外での葬送であっても、面倒な手続きを踏むことなく行えるのが、散骨のメリットといえるでしょう。
散骨可能な場所は決められている
ハワイでの海洋散骨に対して許可は不要ですが、だからといって海ならどこでも散骨をしてもいいというわけではない点に注意が必要です。
ハワイ州の法律では、「海岸から3マイル(約4.8km)以上離れた沖合で行わなければならない」とされています。陸地から手軽に行けるビーチや崖の上から海へ散骨することは違法となります。
つまり、法律に則って散骨を行うには船で沖へ出る必要があるので、完全に個人で散骨を行うことは簡単ではありません。
ハワイでの海洋散骨にかかる費用は?
ハワイで散骨をするにあたり、どのくらい費用がかかるかは誰しも気になるところではないでしょうか。実際にかかる費用は、散骨する方法や内容により、大きな差が出ます。
ハワイへの渡航費用と滞在費用が必要
ハワイの海へ直接出向いて散骨をしたい場合は、少なくとも日本とハワイの往復航空券、現地での宿泊費用がかかり、渡航人数が多ければその分費用も高くなります。
航空券は出発地や渡航時期、座席クラスや燃油サーチャージにより大きく変動し、一般的に長期休暇を取りやすい夏・冬休みやゴールデンウィークの時期は、価格が跳ね上がります。
ハワイ行き航空券の相場価格は往復で約7万円ですが、利用者が多い時期は20万円近くまで高騰します。
滞在費用も、宿泊先により価格の幅が大きくなるため、相場価格を出すのは困難です。旅行会社で提供している航空券と宿泊先がセットになったフリーツアーなら、航空券と宿泊先を別々に予約するよりも安く済ませられます。
渡航・滞在費用と散骨にかかる費用がセットになったツアーはほとんどありませんが、先述のオプショナルツアーにフリーツアーを組み合わせれば、ハワイでの散骨にかかる費用をまとめられるでしょう。
個人手配の場合はボートチャーター
渡航費用と宿泊先を日本で、散骨を現地で手配する場合、個人でサポート会社を手配するケースが多くなります。日本での遺骨引き取りから散骨の実施まで、9万円ほどから利用可能です。
サポート会社でのボートチャーターでは、完全に家族のみで貸し切れるプランのほか、他の数組の家族と一緒に乗る合同乗船プランが選択できたり、散骨の後に故人を偲ぶ会などを開催したいときも、会場や食事を同時に手配してもらえたりすることもあります。
サポート会社を利用しない場合でも、必ず沖へ出なければならない散骨では、船のチャーター費用は最低限必要です。
また、散骨では国内外を問わず、火葬しただけの遺骨を撒くことはまずありません。基本的に、遺骨をパウダー状に細かく砕く「粉骨」を行ってから海へ撒きます。渡航前に、国内で粉骨業者に依頼をして粉骨する場合は、料金が別途かかります。
渡航せずにハワイで散骨する方法も
あこがれのハワイで散骨をしたいけれど旅費がかさむ、長時間フライトができない、時間の余裕がないなど、渡航が難しいという場合もあるでしょう。
しかし、ハワイでは家族が立ち会わなくても海洋散骨をする方法があります。その方法を詳しく紹介します。
現地へ行けなくても代行業者の利用も可能
現地へ行けないからと、散骨を諦める人もいるかもしれません。しかし散骨サポート会社の中には、家族や親族が直接ハワイへ行けない場合でもサポート会社が代わりに散骨を行ってくれる「委託散骨」を受け付けているところがあります。
委託散骨では、日本で遺骨を引き取った後にハワイへ運んでもらいます。ハワイ到着後、現地スタッフが責任を持って散骨を行うのが、一連の流れです。散骨が無事終わった後は、散骨した場所などを記した実施証明書を受け取れます。
家族が散骨を見届けられないことがデメリットではありますが、さまざまな事情で渡航できない人にとっては希望の場所で散骨をしてもらえ、費用も5万円からと大幅に抑えられる点がメリットです。
国内からすべての手続きを行ってもらえる
海外で行う散骨となりますが、委託散骨では申し込みから散骨に至るまで、すべての手続きを日本国内で済ませられるのが魅力です。
実施するのは日本人が対応するサポート会社なので、葬送マナーを守りながら希望の場所で散骨が行えます。
渡航前に粉骨を行っておこう
散骨では、遺骨はあらかじめ粉骨しなければなりませんが、ハワイでの委託散骨のために託す遺骨も、前もって業者に依頼をして粉骨しておきます。サポート会社によっては、粉骨も含んだ委託散骨プランを用意していることもあるので、依頼するプランの内容をチェックしておくことも大切です。
まとめ
故人を自然に還す、という意味で海洋散骨を選択する人が多いですが、ハワイでの散骨では大好きな海で眠りたい、ハワイに強い思い入れがあるなどの理由で選択するケースも少なくありません。
故人や家族の希望に沿った散骨をするために、今回紹介した情報をぜひ参考にしてみてください。