手元にある遺骨は自分で処分できる?正しい処分方法を紹介

火葬を済ませた後の遺骨は、お墓に埋葬することが多いものです。
しかし、お墓を持たない、墓じまいをしたなど、場合によっては遺骨が手元に残ることがあります。
この遺骨を処分したいときは、どんな方法が可能なのか、何が違法となるのかを知る必要があります。
そこで、正しい方法で遺骨を処分するための方法を紹介します。

目次

遺骨は自分で処理できる?

さまざまな理由で手元に遺骨が残ってしまったとき、どのように処分をすればいいのでしょうか。適切に遺骨をするために、まずはできることとできないことを知っておきましょう。

お墓を持たないときは自宅保管ができる

お墓を持っていない、お墓を持たないと決めていて遺骨を埋葬するべき場所がない場合に、自宅で保管することは違法ではありません。

しかし、遺骨はカビが生えやすいもので、気温と湿度が高い時期は特に、すぐにカビが生えてしまいます。自宅で遺骨を保管する際は、骨箱に入れた骨壷の中に入れ、直射日光が当たらない風通しの良い冷暗所に安置するのがおすすめです。

墓じまいの際も遺骨の処分が必要

「墓じまい」とは、これまであったお墓から別の墓地に移動する、またはお墓そのものを処分することを言います。この場合も、墓地の移動がなければ手元に遺骨が残ることがあります。

墓じまいを行った後の遺骨は、上記のように自宅での保管もできますが、永代供養という選択肢もあります。遺骨を手元に残しておきたくないけれど、処分以外の方法を探している場合は、永代供養するのも一つの方法です。

遺骨を自分で処分することは基本NG

遺骨は、正しい方法で処分しなければ違法となります。遺骨の埋葬は、基本的に墓地でのみ行わなければならないため、たとえ自宅の敷地内であっても勝手に遺骨を埋めることは法律違反となってしまいます。

つまり、墓地以外の場所では遺骨を自分で埋めて処分することは違法ということです。

遺骨を正しく処分する方法とは

自分で埋葬することが違法となる遺骨を正しい方法で処分するには、主に以下の方法があります。

火葬場で「焼き切り処分」を行う

元々お墓に埋葬されていた遺骨ではできない方法ですが、お墓を持たないとあらかじめ決めている場合は、火葬の段階で「焼き切り処分」を依頼できます。

通常、火葬では遺骨のみが残りますが、焼き切り処分では骨まですべて燃やし尽くしてもらいます。後に何も残らないほど焼き切り、その後は火葬場で処分してもらうので、手元には何も残りません。

ただし、すべての火葬場で焼き切り処分を行っているわけではないので、焼き切りを希望する場合は対応可否を確認しておきましょう。

合祀墓への埋葬や散骨を行う

「合祀墓」とは、他の多くの人と一緒に、一つのお墓に埋葬して供養する方法です。個人のお墓を用意できない、お墓にかかる経済的負担を減らしたいなど、多種多様な理由で合祀墓を選択する人もいます。お墓を持っていないのであれば、このような埋葬方法も選択可能です。

また、遺骨は自分で埋葬することは違法ですが、「散骨」であれば自分自身の手で処分することもできます。

遺骨の処分方法として広まる「散骨」

その人の希望や思い入れのある場所で送り出してほしいという要望を叶えるため、葬送方法はお墓に埋葬するだけではなく多様化してきています。埋葬以外の方法として実施する人が増えているのが、散骨です。

広まりつつある散骨を行うには、正しい方法を知っておく必要があります。

散骨は法律的には違法ではない

遺骨を墓地以外に埋めることは違法とされていますが、散骨は違法とはされていません。遺骨の埋葬と散骨との大きな違いは、遺骨の形状です。

法律では、遺骨と分かる状態で埋葬または散骨することは違法です。そのため、散骨では実施する前に必ず遺骨を細かくする「粉骨」を行います。粉末になるまで細かくすれば形状から遺骨と判別できないため、その状態で遺骨を撒くことは違法とはならないのです。

しかし、粉骨をしておけば好きな場所に散骨ができる、というわけではない点に要注意です。自宅の庭であっても、後に他の人が使用する可能性がある借家や、他の住人も使用するマンションの公共スペースは不適切に当たります。

散骨方法では、海へ散骨をする「海洋散骨」が最もポピュラーです。海での散骨は、人がまず立ち入りができない沖まで出て行うのが基本なので、不特定多数の人が立ち入る海水浴場や観光スポットで散骨も、避けるべきです。

専門の業者に依頼もできる

散骨は、遺骨を細かく粉骨できれば自力でも可能な方法ですが、海へ撒く海洋散骨となると、沖に出なければならない都合上、船のチャーターが必須です。となると、個人ですべてを行うのは簡単ではありません。

そこで便利なのが、散骨の専門業者に依頼をする方法です。海洋散骨の場合は、業者に依頼をすると遺骨の引き取りから粉骨、船のチャーターや散骨した場所などを記した散骨証明書の発行など、必要な作業を一括で行えます。

船を貸し切っての散骨のほか、散骨業者なら費用を節約するなら他の家族と船に同乗する「合同散骨」、遺骨を預ければ家族の代わりに散骨を行ってもらえる「委託散骨」も選択できます。

まとめ

遺骨が手元に残っている場合、法律違反とならない処分方法は、埋葬を除くと自宅保管または散骨など選択肢が限られます。故人への意思や家族の希望などを踏まえて、最適な処分方法を選びましょう。

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